熱い。



 胸が、熱い。



 胸に灯が燈ったみたいに。

 目蓋を透かして、眩い光が溢れている。
 真っ白い光。

 手の平が、私の胸に押し当てられていた。
 暖かい掌。
 飾りの付いた紺の袖口から覗く、ほっそりとした手。
 伸ばされた白い袖を辿ると、華奢な肩があった。
 茶色の柔らかい髪が、肩口を滑っている。
 真っ白い光に包まれて、涙を溜めた瞳が、私を見つめていた。
 泣き出しそうな顔で、私を見つめている人。
 私はその人を知っている。

 そうだ、君は、


 「はやて。」



 はやてが、涙のように、笑みを零した。