×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。











「はやて、髪の毛伸びたよな。」
ヴィータがぼんやりとした声に、そんな言葉を載せた。
その手は素直にソファに寄りかかって座るはやての髪に伸びて、毛先を撫でる。
掌の上で、肩まである髪が滑らかに揺れた。
「んー、そやね、一年くらいは伸ばしとるからな。
 ここまで結構長かったけど。」
はやては手にした文庫本の字を目で追っていた。
ソファに寝そべったままヴィータは本の内容を覗き見るが、
縦書きの所謂日本語のうえ、小難しい漢字が並んでいて即座に顔を顰めた。
「子供に見られるから、髪伸ばしたんだっけ?」
流れる髪の中に一本だけ跳ねたものを見つけて、
ヴィータは真っ直ぐになるように指先で力を込めた。
割とやわらかいはやての髪はすぐにへちょっとなるけれど、
手を離すと先程と同じように跳ねた。
「なーに、ヴィータ。
 遊んで欲しいん?」
はやてが本を閉じ、見を捻って振り返った。
ヴィータを見つめるはやての瞳がやけにきらきら輝いている。
きっと、今日が快晴だからだろう。
開け放たれた窓から吹き込む風も、翻るレースのカーテンも、光を零しているから。
「べ、べっつに、そんな子供じゃねーって。
 ただ、せっかく伸ばしたんだから、もっと違う髪型しないのかなぁ、って。」
ヴィータは頬がなんとなく熱くなるのを感じながら、少し早口に言いきった。
「違う髪型?」
はやてが髪に手を滑らせながら小首を傾げた。
昔からショートカットだったせいか、なんとなく今も髪は肩を自然に流しているだけだ。
ショートカットではアレンジのしようも限られるが、
長くした今なら、いろいろな髪型を考えてもいいだろう。
「どんな髪型にしたらええと思ってるん?」
アップに纏めるのもいいだろうし、
オーソドックスにシュシュでもつけて高く結わえてもいいだろう。
そんなことを思い描きながら、はやては難しい顔をしだしたヴィータを眺める。
眉間に皺を寄せるその表情は、なんだか物憂げにも見えて、
はやては内心で笑みを零す。
「えっと・・・、
 昔、なのはがやってたみたいに、上の方で二つに結わえるとかどうだ?」
ツインテール。
はやては鉄壁の筈の自分の笑顔に、罅が走るのを感じた。
ヴィータはその空気の変化を敏感に感じてか、少し不安げに眉を垂らした。
「え、厭か?
 かわいいと思うんだけど。」
ツインテールとは頭の両サイドで結わえた髪の毛がひょこひょこ揺れるという髪型だ。
かわいいかかわいくないかで聞かれたら、かわいい髪型だろう。
しかし、そこには但し書きが必要だ。
曰く、子供に限る。
はやては努めて柔らかな表情になるように気をつけながら、ひらひらと手を振った。
「ちょっと、ツインテールは25歳じゃあできへんわぁ。
 ごめんな。
 他の髪型やったら、なるべくがんばってみるから、な?」
拍子抜けしたように、ヴィータが唇を尖らせたとき、
台所からスリッパをぱたぱたと言わせて歩いてきたのはシャマルだった。
「はやてちゃん、ヴィータちゃん、お茶飲まないかしら?」
シャマルの手にはカップが大小合わせて七つと、ティーポットが載ったお盆。
肩口のあたりにはリインが居て、上機嫌そうに空中をスキップしていた。
「お、ありがとな。
 今日は紅茶なんやね。」
シャマルの手がテーブルに置いたティーポットから漂う匂いに、はやては目を細めた。
「ええ、この間買ったものなんですけど、良い香りですよね。」
並べたカップに紅茶が注ぎ込まれる。
透き通った琥珀色の紅茶は、カップの中で少し跳ねて香しくもさわやかな印象で鼻先を掠める。
シャマルはつくづく自分の好みを解ってくれているな、とはやては感じた。
「アギトが呼びにいってるですから、他のみんなもすぐ来るですよ。」
そう言ったのは、いつの間にやらフルスケールになって、壁際の戸棚に手を伸ばしているリインだった。
並んだ本に混じって、上から2番目の段にはこの間貰ったクッキーの缶が置いてある。
「本、落とさないように気をつけるんやで。
 当たったら痛いで、手伝おうか?」
背伸びをしているリインが少し危なげで、はやては思わずそう声をかけた。
だが、はやてが腰を上げるよりも早く、
リインは難なくクッキーの缶を手にすると、嬉しそうに両腕で抱えてはやての所に持ってきた。
「はやてちゃん、クッキー食べていいですか?」
期待に目がきらきらしている。
毛頭、駄目だなんていうつもりは無かったけれど、
そんな目をしてクッキーを差し出されたら尚更、駄目と言える筈も無い。
はやてはリインの頭を撫でながら頷いた。
「ええよ。
 ただ、みんなの分もちゃんと取っておいてあげなあかんからね。」
クッキーの缶を胴上げして、リインが飛び跳ねた。
「あ、クッキーいいな!」
その時、廊下へ続く扉が開いて、アギトの声が飛び込んで来た。
シグナムとザフィーラも続いて入ってくると、リビングは一気にかしましい。
「リインが先に選んでからですよ!」
リインが缶を抱えたまま、べっ、と舌を出した。
すると、アギトは眉を跳ね上げた。
そして、翼を消すとフルスケールになって床へと降り立つ。
「独り占めすんな!」
「独り占めじゃないです、じゅんばんこでリインが先なだけですー。」
二人の身長は、アギトがほんの少し高いだけでほとんど一緒だ。
その二人がクッキー缶を巡ってリビングを駆け回り始めるのを見かねて、
シグナムが肩を竦めた。
「あの二人は、仲が良いのか悪いのか。」
ぼやきながらソファの後ろを回り込んで、窓に近い所に座った。
ぽかぽかと部屋を暖める日差しが、シグナムを照らしていて、
透けた淡い色の髪が輝いている。
「まあ、仲ええんやないのかな。
 二人とも、遊び盛り育ち盛りといいますか。」
微笑ましさと苦笑とが混じった顔で、はやては自分のカップに手を伸ばした。
白いカップの中で紅茶は、陽光に煌めく程に琥珀色が綺麗だ。
「ほら、リインもアギトも、お茶が冷めちゃうでしょ。
 いい加減にしないと駄目よ。」
クッキー缶を片手に取り合いつつ、互いの頬をつねくりあっていたリインとアギトは、
シャマルに諭されると皆が座るテーブルを振り返った。
しょうがないなあ、と笑っているはやてと、呆れ顔のシグナム、
勝手にやってろとでも言いたげなヴィータに、少しだけ怖い顔をしたシャマルと、
紅茶を飲みたそうにしているザフィーラの皆が、二人を待っていた。
「あうあう、ごめんなさいですぅ。
 早く、お茶にするです!」
「ちぇー、リインが悪いんだぜ。」
口々に言いながら、リインとアギトは仲良く二人で缶を持ってきた。
そして、硬く閉まっている蓋を共同作業であけると、テーブルの真ん中に据え置いた。
「んじゃ、いただきまーす。」
そう言って、二人よりも先に手を伸ばしたのはヴィータだ。
あ! と二人が目を丸くするが、上機嫌にヴィータは刻んだアーモンドの入ったクッキーを頬張る。
「はいはい、ええから二人も好きなの食べなって。
 いっぱいあるやろー。」
ひらひらと手を振って促すと、アギトとリインはころっと顔色を変えて、
熱心にクッキーを見つめた。
その様がなんだか小動物みたいでおかしい。
はやては紅茶に口をつけながら、忍び笑いをした。
「そういえば、さっき、何の話をしてたんですか?
 髪型とかなんとか、言ってましたけど。」
シャマルがそう言ってはやてを振り向いた。
紅茶に角砂糖をひとつ落としてかき混ぜながら、シグナムがこちらに一瞥をくれる。
「あー、なんかな、せっかく髪伸ばしたんやから、
 髪型変えてみたらってヴィータが言うてきたんよ。
 それで、どんなのがええかなぁ、って。」
途端、シャマルの目が色鮮やかに輝いた。
その煌めきは春先に芽吹いた新緑の輝きを思い起こさせる程に眩しい。
「はやてちゃん、もしかして髪型いじらせてくれるんですか?」
浮き立つ心が隠しきれない年頃の女の子のような声で、
シャマルは満開の笑顔を広げて、はやてに問い掛ける。
「なんか、ええのあるんやったら、ちょっとやってみようかな、って思ってたけど。
 なに、なんかええのあるん?」
シャマルはこくこくとしきりに頷いて、ぱっと身を翻して立ち上がると、
何故だか台所に引っ込んだ。
そして、持ってきたのは一抱えもある冊子の束だ。
大事そうに胸に抱えて、シャマルは紡ぐ。
「髪を伸ばし始めた時に、
 いつかはやてちゃんが髪型をアレンジしようって言い出すんじゃないかって思って、
 こっそりチェックしていたんです。」
テーブルの上に積み上げられた冊子は、ヘアスタイルの本だ。
中には付箋が貼付けられているのもある。
「お前、いつの間にこんなんチェックしてたんだよ。
 抜け駆けじゃねーか。」
唇をとんがらせてヴィータが不満の声を上げた。
しかし、シャマルはそれをそよ風のごとく受け流して勝ち誇る。
「未来を見据えた戦略的行動と言って欲しいわね。
 小さい頃からずっとショートカットだから、髪を編んだりとかしたかったのよ。」
しゃあしゃあと言い放ち、シャマルははやての隣に膝をつくと、
冊子の山の上から4冊目を取り出して、黄色い付箋のついた頁を開いた。
「はやてちゃん、こんな髪型してみない?
 私がやってあげますから、ね?」
開かれた頁に記載されていたのは、コームで纏められた髪型だった。
綺麗に纏め上げられた髪は、清潔感のある大人っぽさもありながら、
銀色のフレームに散りばめられたラインストーンの華やかさが、かわいらしさも演出する。
「お、ええなぁ。
 でも、私、コーム持ってないんやけど。」
すると、即座にシャマルが得意げな顔をした。
「ちゃんと用意してあるから大丈夫です。」
シャマルの笑顔の中、ちらりと見えた歯が一瞬光った気がして、
はやては眉を下げた。
「なんや、準備ええなあ。
 じゃあちょっとやって貰おうかな。」
やったぁ! と歓声をあげて、シャマルはいつの間に用意したのか、
数本のピンとコームとヘアブラシを手にして、はやての後ろ、ソファに腰掛けた。
冊子に載っているコームとは違うが、ライムグリーンの石があしらわれているそれは、
ちょっと前に店で見かけた折に、絶対はやてに似合うと踏んでシャマルが買っておいた物だ。
「それじゃあ、やりますね。」
弾んだ声で、シャマルがブラシを握り締め、はやての髪に手を触れた。
その時だ。
「ちょっと待て。」
シグナムが立ち上がった。
仁王立ちするシグナムの姿は、窓を背にして逆光を背負い、威風堂々としていた。
いつになく真剣な眼差しは、その場に居る者に無意識のうちに息を呑ませる。
シグナムは皆の顔を見渡しながら、懐からクリアファイルを取り出した。
「そういうことなら、私にだって案はある!
 私は主はやてには、巻き髪をして欲しい!!」
握り拳を腰だめに置き、シグナムは言い放った。
勢い良く開いたクリアファイルには、
雑誌の切り抜きとおぼしきセミロングのスタイリングの写真が並んでいる。
「お前、・・・いつの間にそんなん作ってたんだよ。」
アギトが肩をずっこけさせながらぼやいた。
だが、そんな言葉はシグナムの耳には届かない。
「いいか、強面だか、かわもてだか忘れたが、
 格好良いがしかし可愛らしいという言葉が近頃はある。
 ほれぼれする程の凛々しさと、こんなにも可愛い主はやての他に、
 それが似合う者など居ない!」
勢い良くシグナムがファイルの頁を捲ると、今度はファッション誌の切り抜きが現れた。
「だ、だからお前、いつの間にそんなんをだなぁ・・。」
開いた口が塞がらないまま、アギトが溜め息を漏らした。
その横で、はやては顔を真っ赤にしてテーブルに突っ伏していた。
あほか・・、との呟きが微かにアギトの所まで漂ってくる。
髪の間から覗いた耳も真っ赤だ。
「だからシャマル、主の髪をアレンジするのはこの私だっ!」
鋭く人差し指をシャマルに向けて、シグナムは宣言した。
シャマルが間髪入れず言い返そうとする。
だが、それを黙って聞いていられない人物はもう一人居た。
「いや、お前達は解っていない。
 主はやてはそんな風に飾り立てなくとも、十分にうつくしい。」
起き上がりかけていたはやてが、凄まじく勢いよくテーブルに突っ伏した。
ごん、と鈍い音が額とテーブルの間から響いて、アギトは目を丸くする。
立ち上がったのはザフィーラだった。
蒼い狼はその赤い瞳に炎を立ち上らせ告げる。
「主はやての自然な魅力を引き立たせる為には、
 お前達の言うことはなんら本質的ではない。
 俺がやる。」
シグナムとシャマルの目が明らかに、犬のくせに、と言っていた。
アギトが皆を見る目はといえば、どうせ全員なんだかんだ理由はつけているが、
はやての髪を弄りたいが本心なくせに、という体だったが。
どうしようこいつら、と思いつつクッキーに手を伸ばすと、やおらリインが起立した。
「それならリインだってはやてちゃんの髪の毛いじりたいです!
 長くなって綺麗に手入れしてるですから、
 結わえるよりも肩に流す方がいいと思うです!」
そして最後の一人、ヴィータが拳を振り上げた。
「あたしだって案あるんだぜ。
 お前らで勝手に決めるなよ!」
終わった、とアギトが思うのとほぼ同時。
五人はきゃんきゃんと騒ぎ始めた。
やれこっちの方がかわいいだの、こっちの方が似合うだの。
うんざりとアギトがクッキーを紅茶で流し込むと、はやてがこちらを見た。
照れが消えきっていない顔で、はやてはアギトを軽く手招きする。
アギトがリインとシャマルの横を擦り抜けて傍に行くと、
はやては広げた腕でアギトをぎゅっと抱き寄せた。
「なんだよ。」
ぼそっと言う漏らす間に、アギトははやての膝の上に収まっていた。
はやては後ろからアギトに腕を回して、肩に顎を載せる。
「なんかみんな忙しくて構ってくれそうにあらへんから。」
耳元で吐き出される諦めの混じったはやての声を聞きながら、
アギトは白熱した議論を展開させる五人を眺めた。
「こいつらってさ、馬鹿だよな。」
背中に触れたぬくもりが、笑いを起こして小さく震えた。
「こういうところが可愛いんやない。」
しょーもね、とアギトが呟いたのを耳にして、
はやてはぎゅっとアギトを抱きしめる腕に力を込めた。
「アギトもかわいいでー。
 ツーンツンしてるくせに、呼べば膝の上に来てくれるとことか、
 むっちゃかわいいで!
 せやから、いじけちゃあかんよー。」
「いじけてねぇよ。」
頬をすり寄せてくるはやてに、アギトは身を捩った。
はやては初めのうちはアギトが嫌がっている仕草だと思っていたが、
近頃ではこれはただのそういうポーズなのだと知っている。
煙たそうにしているのなんて、5秒も続いたことがないのだから。
「もー、アギトはツンでれさんやなあ。
 この照・れ・屋・さん。」
「照れ屋じゃねええええ!」
構いすぎると怒るけど。
アギトがはやての鼻を摘んだ時、ふ、っとリビングが静まり返った。
突然の静寂に恐ろしくなって、アギトは動けなかった。
さっきまで騒いでいた五人が、石像になってこっちを見ている。
一度はやてが息を呑んだ。
「てへ。」
しらじらしくはやてが舌を出すと、時を止めていた五人はわっと声を上げた。
「アギトずるいですぅ!」「はやてちゃん、私達は真剣に考えてるんですよ!」
「主はやて・・・!」「アギト、てっめ抜け駆けかよ!」「主っ!」
口々にそう言いながら、リインとヴィータが飛び出して来てはやてにぺったりと張り付いた。
リインははやての腕をぶんぶん降る。
「はやてちゃん酷いです、リイン達がこんなに悩んでるっていうのに、
 アギトとばっかり遊んで!
 リインとも遊んで欲しいです。」
「そうだよはやて、ふこーへーだよ!」
ヴィータはヴィータではやての肩を揺すって、頬を膨らませた。
かくかく頭を揺らされながら、はやてがあははと笑う。
「みんななんや真剣やったから、邪魔したら悪いかなあって。」
はやてが頬を掻くと、その首に後ろから腕が絡み付いた。
「はやてちゃんが一言、私の言うのが良いって言ってくれれば、
 すぐ解決しますよ。」
シャマルがはやてを後ろから抱きすくめ、満面の笑みを見せた。
すると、黙っていないのはやはり二人居る。
「主はやて、シャマルにやらせるよりも、
 私に髪結いをさせて下さった方が確実です。
 どうか御考え直しください。」
真摯な眼差しをはやてに向けたのはシグナムだった。
はやての手を取り、祈るように両手で包んでシグナムははやてを見つめる。
「いや、私に任せて下さい。」
そこで進み出て、もう片方の手を取ったのはザフィーラだ。
暑い。
そう感じたはやては、自分がアギトを膝に乗せ、
背中にシャマルを引っ付けて、両脇にリインとヴィータがしがみついていて、
両手をシグナムとザフィーラが掴んでいることに気付いた。
身動きが取れない。
「わ、わかった、わかったからみんな、もうちょっと落ち着こう、な?
 私いま全然身動きとれへんねんで?
 一回、ちょっと離れよ、な?」
皆の顔を順繰り見渡して、はやては諭すように言った。
だが、皆は一向に離れない。
「主はやてが私に髪結いをさせてくださるならば考えますが、
 それまでは退けません。」
「はやてちゃんだってせっかく髪の伸びたんだから、
 コームとかつけて纏め髪にしたいわよね?」
「主、ここは私に。」
「はやて、もーいーから遊ぼうぜ!
 外天気すっげーいいんだから、どっか行こうよ!」
「この前お菓子作り教えてくれるって約束したですよ!」
「ああ、もうお前らあつっくるしいんだよ!」
「もう、こんなリビング広いのに、なんで一畳くらいの空間にみんなで団子になっとんねん!」
はやてが思わず悲鳴を上げると、ヴィータが弾かれたように答えた。
「はやてのこと好きなんだからしかたねーだろ!」
きょとんとはやてが固まった。
花が咲いたように、顔が一瞬でぽっと赤くなる。
それを見ると、リインとアギトが顔を見合わせてにやっと笑った。
「よーし、」
「突撃ですー!」
わ、っと二人が勢いよくはやてに飛びついたのを皮切りに、
いつになくいたずらっ子な面々がはやてをぎゅっともみくちゃにした。
「ちょ、ま・・・こらぁああっ!
 あいたたたたわたしだって生きてるんだからもっとやさしく・・・!
 ってあああもうかわええなもう!」
はやてはもみくちゃにされたまま、大きな声で笑った。
「私だってみんな大好きやねん!」