車のドアを後ろ手に閉めると、フェイトは背後を振り返った。 郊外型ショッピングモールの屋上駐車場はまだ空いていて、 バスケットボールでも出来そうなくらいだった。 「フェイトまま、運転ありがとー!」 フロント側を回ってきたヴィヴィオが、フェイトの腰に後ろからしがみつく。 「どういたしまして。」 腰を捻り、小さい頭を撫でると、ヴィヴィオは額を腰に押し付けた。 シャツ越しに温かい感触が伝わる。 「ほら、二人とも行くよー。」 買い物かごを提げたなのはが手招きをする。 グラデーションを描いて地平線から立ち上がる青空に、 連なる低い雲が草原を作っている。