季節の終わりに、私はその夜の裾を見つめていた。
うす蒼い夜の裾は、
 まるでカーテンから吹き込む光と同じに、
太陽が残した光の矢の輝きを透かしている。
「なんや、ふしぎやなぁ。」
私の足は小さく見える街並みを踏んでいる。
たそがれも落ちた海鳴りの街に、私は浮いたまま、
街を
海を
歩けない足をぶら下げて、ただよっている。