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 なんだか話題もなかったし、コーヒーも一杯分しかなかった。なんとなく並んで座ったテーブルの真ん中、
二人の間にマグカップが一つ湯気を立ち上らせている。二人とも砂糖は入れない主義なのがとても好都合だ
ったと思う。半分こでカフェオレ二杯にする気分でもなかった。
 まことの手が亜美の短い髪を撫でている。後頭部から首の辺りまで、何度となくただただ掌が流れる。ガ
ーデニングの雑誌を一緒になって覗き込みながら、亜美はされるがままに委ねていた。
 大輪の芍薬が開かれたページに踊っている。亜美は二人で一つのコーヒーを手に取って一口飲むと、まこ
とに寄りかかった。髪を撫でていた手がそっと、亜美の肩を抱く。