尊い任務だ。 腕を引き抜き、彼女は電灯の元にその身を晒した。蒸れていた汗の匂いが立ち上り、熱が流れ落ちてい く。厚手の戦闘服、市井の何年も先を行く技術で以て作られた最後の鎧。裂傷や熱から身を守る最後の一 枚。 床に脱ぎ捨てた上着の釦に、鈍く自分の裸体が映っている。 歪んで人の形をしていない色の塊、その左肩から脇腹に青黒い帯がかかっている。彼女は目を伏せた。 皮膚の下で、体内で溢れた血液が斑な模様を描いている。肩から脇腹まで。鈍い痛みを伴って。 理由もあり、誇りもあり、仲間もあったとして。 そこに希望を見たとして。 あの愛すべき友を、本当に、戦いに巻き込むべきだったのだろうか。 彼女は奥歯を噛み締め、シュミーズに腕を通す。